2026.10.20 コラム

スポンサー募集の方法|募集ページと募集文の書き方【例文つき】

スポンサー看板の前でシュートを放つ緑と白のユニフォームの選手

「スポンサーを募集したいけれど、何から始めればいいのか分からない」

チーム、大会、個人を問わず、スポンサー営業の相談でいちばん多い入口の悩みです。話し方や提案書の前に、まず「募集していることが、相手に伝わる形になっているか」を整える必要があります。

この記事では、スポンサー営業を代行してきた立場から、募集ページに載せる項目、そのまま使える募集文の例、声をかける順番、募集から契約までのスケジュールを整理します。


スポンサー募集は「3つの道具」で決まる

スポンサーが集まらない理由の多くは、熱意や実績の不足ではありません。募集の道具がそろっていないことです。

  • 募集ページ:企業が自分で調べたときに、条件と連絡先が一目で分かるページ
  • 募集文:メールやSNS、紹介のときに渡す短い文章
  • 提案書:関心を持った企業に、具体的な中身を説明する資料

この記事で扱うのは、最初の2つです。3つ目の提案書は「スポンサー提案書の書き方」で解説しています。


募集ページに載せる8項目

企業の担当者は、声をかけられたあと、ほぼ必ずホームページを確認します。そこで募集の情報が見つからないと、話はそこで止まります。ホームページの中に、スポンサー募集の専用ページを1つ用意しておきます。

項目 載せる内容
1. 活動の概要 競技、拠点、所属リーグ、チームの人数、年間の試合・イベント数
2. 見てもらえる人の数 来場者数、SNSのフォロワー数、ホームページの閲覧数、会員・保護者の数
3. 目指していること 今季の目標と、地域で果たしたい役割
4. 協賛メニューと金額 プランごとの内容と年額(2〜3段階)
5. これまでの協賛企業 社名やロゴ(掲載の了承を得たもの)
6. 協賛の活用例 企業がどう使っているか(社員の観戦、採用、地域へのPRなど)
7. 契約の流れと時期 申し込みから掲出開始までの流れと、締め切り
8. 問い合わせ先 担当者名、メールアドレス、問い合わせフォーム

金額を載せるかどうかで迷う方は多いですが、入口のプランの金額だけでも載せておくことをおすすめします。金額の分からない募集は、企業の社内で検討の場に上がりにくいからです。プランの組み方は「スポンサー料金表の作り方」で、規模ごとの相場は「協賛金の相場はいくら?」でまとめています。


そのまま使える募集文の例

募集文は、短く、具体的にします。長い想いの文章より、「何を・いくらで・いつまでに」が分かる文章のほうが、社内で回してもらいやすくなります。

例1:企業へのメール・紹介用

件名:〇〇FC 2027年シーズン スポンサー募集のご案内

〇〇株式会社
〇〇様

はじめてご連絡いたします。〇〇市を拠点に活動するサッカークラブ「〇〇FC」の〇〇と申します。

2027年シーズンに向けて、地域でクラブを一緒に盛り上げていただけるスポンサー企業を募集しています。

・ホームゲームは年間10試合、1試合あたりの来場者は約500名です
・SNSのフォロワーは合計約8,000人で、試合の様子を毎週発信しています
・協賛は年額10万円のプランからご用意しています

詳しい資料をお送りしますので、ご関心があればご返信ください。15分ほどお時間をいただければ、直接ご説明にも伺います。

〇〇FC 〇〇(担当者名)
電話番号/メールアドレス

※数字は例です。自分たちの数字に置き換えてください。

例2:SNS・ホームページの告知用

【スポンサー募集】〇〇FCは、2027年シーズンのスポンサー企業を募集しています。ホームゲームでの看板掲出、ユニフォームへのロゴ掲載、SNSでの企業紹介など、年額10万円からのプランをご用意しました。地域の子どもたちも通うクラブを、一緒に支えていただけませんか。詳しくはプロフィールのリンクから。

募集文で避けたい3つの書き方

  • 「ご支援をお願いします」だけで終わる:寄付のお願いに見え、広告宣伝費として検討してもらえません。企業に返せるもの(露出・体験・地域との関係)を必ず書きます。
  • 数字がない:来場者、フォロワー、試合数。おおよそでかまわないので、数字を入れます。
  • 連絡先が分かりにくい:担当者の名前と、返信しやすい窓口を1つに絞って書きます。

声をかける順番:近いところから外へ

募集ページと募集文がそろったら、声をかけていきます。順番は、関係の近いところから外へ広げるのが基本です。

  1. すでに関係のある企業:選手・保護者・OBOGの勤務先、練習場所や用具でお世話になっている店
  2. 今のスポンサーからの紹介:協賛してくれている企業に、取引先を紹介してもらう
  3. 地域の集まり:商工会議所・商工会、青年会議所、ロータリークラブなどの例会や会報
  4. 地域で採用や集客に力を入れている企業:求人を出している会社、新しく店を出した会社、地域密着の住宅・不動産・医療・飲食など
  5. 面識のない企業:最後に。紹介や接点をつくってから連絡すると、返事の来かたが変わります

いきなり5番から始めて、返事が来ずに心が折れる。これがいちばん多い失敗です。最初の1社は、ほとんどの場合1番か2番から生まれます。

面談で何をどの順番で話すかは「地元企業を口説くスポンサー営業トーク設計」で解説しています。


募集から契約までのスケジュール

企業の広告宣伝費は、多くの場合、年度の予算として前もって決まります。シーズンが始まってから声をかけても、「今年度の予算はもう決まっている」と言われることが少なくありません。

時期(4月開幕の場合) やること
前年の9〜10月 募集ページと資料の準備、昨シーズンの実績のまとめ
前年の10〜12月 今のスポンサーへの継続のお願い、新しい企業への声かけ
前年の12月〜2月 面談と提案、金額と内容の調整、契約
2〜3月 ロゴの入稿、看板・ユニフォームの制作
4月 シーズン開幕、掲出の開始

看板やユニフォームの制作には時間がかかります。開幕に間に合わせるには、遅くとも2か月前には契約を終えておきたいところです。企業の決算期が3月以外の場合は、その会社が予算を組む時期に合わせて声をかけます。

大会やお祭りなど、単発のイベントで協賛を募る場合は「イベント・祭りの協賛金の相場」も参考にしてください。


次の募集を楽にするのは、終わったあとの報告

スポンサー募集は、1年で終わりではありません。翌年も続けてもらうこと、紹介をもらうことが、次の募集をいちばん楽にします。

  • 試合やイベントの写真を、企業のロゴが写る形で送る
  • シーズンの終わりに、露出の実績を1枚のレポートにまとめて届ける
  • 次のシーズンの相談は、レポートを渡すときに始める

レポートの作り方は「スポンサー契約の更新率を上げる「年間レポート」の作り方」で解説しています。


よくある質問

募集ページに金額は載せたほうがいいですか?
入口のプランの金額だけでも載せることをおすすめします。金額が分からないと、企業の担当者が社内で相談しにくくなるためです。上のプランは「個別にご相談」としておき、面談で中身と合わせて説明する形でもかまいません。
ホームページがなく、SNSだけでも募集できますか?
募集はできます。ただ、企業の社内では資料やURLを回して検討することが多いため、条件と連絡先がまとまったページが1つあると話が進みやすくなります。ブログサービスやSNSの固定投稿でも、8項目がまとまっていれば役割を果たせます。
何社くらいに声をかければいいですか?
決まった数はありません。声をかけた企業のすべてが決まるわけではないので、目標とする社数より、かなり多めの候補を書き出しておくのが現実的です。数を追う前に、関係の近い企業から順に丁寧に当たることを優先してください。
個人のアスリートでもスポンサーを募集できますか?
できます。考え方はチームと同じで、募集文と、自分が企業に返せるものを用意します。金額の目安や最初の1社の見つけ方は「個人スポンサーの相場はいくら?」で解説しています。
スポンサーとパートナーは、どう呼び分ければいいですか?
呼び方に決まりはありませんが、金額や関わり方の深さで「パートナー」「スポンサー」「サプライヤー」などと分けることが多くあります。呼び分けの考え方は「スポンサー・パートナー・サプライヤーの違い」で整理しています。

募集から契約まで、まとめて任せるという選択

募集ページの作成、候補企業の書き出し、提案から契約までを、チームの運営と並行して進めるのは簡単ではありません。日本アイケンのスポーツハブでは、クラブに代わってスポンサー営業を進めています。どこから手をつければよいか分からない段階でも、ご相談ください。