
「協賛金はいくらに設定すればいいですか?」——最も多い質問への答え
スポンサー営業の相談で、提案書の次に多いのがこの質問です。そして、多くのクラブが「近隣のチームがこれくらいだから」という理由で金額を決めています。
これは危険です。安すぎれば運営が続かず、高すぎれば1社も決まらない。しかも一度提示した金額は、あとから上げるのが極めて難しくなります。
この記事では、協賛メニューの価格を根拠を持って設計する手順を、実務で使える形で解説します。
価格設計の3つのアプローチ
アプローチ1:露出価値からの積み上げ(広告換算法)
最も説明しやすく、企業を納得させやすい方法です。自チームが提供できる露出を、広告出稿に換算して積み上げます。
計算の考え方(地域サッカークラブの例)
- ホーム戦20試合 × 平均来場600名 = 延べ12,000名への現地露出
- SNS投稿での掲出:月10投稿 × 平均リーチ8,000 = 年間96万インプレッション
- SNS広告のCPM(1,000インプレッション単価)を500円と仮定 → 約48万円相当
- 会場でのバナー掲出・場内アナウンス:地域広告媒体の相場から換算
これらを合算した「参考換算値」に対し、実際の協賛額はその6〜8割で設定するのが一般的です。企業側に「割安感」が残る設計にしておくことで、比較検討の土俵に乗ります。
アプローチ2:運営コストからの逆算
年間予算から必要な協賛収入を割り出し、社数で割る方法です。
- 年間運営費:800万円
- うち会費・入場料収入:400万円
- 協賛で賄うべき額:400万円
- 目標協賛社数:15社 → 平均単価 約27万円
ただしこれは社内で目標を決めるための数字であり、そのまま企業に説明する根拠にはなりません。アプローチ1と併用してください。
アプローチ3:企業側の予算枠に合わせる
見落とされがちですが、実務では非常に効きます。企業の広告宣伝費・交際費・CSR予算には、決裁のしやすい金額帯があるためです。
- 10万円以下:現場担当者の裁量で決まりやすい。初年度の入口として有効
- 30〜50万円:部門長決裁。最も動きやすいレンジ
- 100万円以上:経営会議マター。前年度からの検討期間が必要
「決裁しやすい金額」から逆算してメニューを刻むと、初年度の成約率が明確に上がります。
3プラン構成の作り方
協賛メニューは、単一提示より3段階が有効です。判断を「やる/やらない」から「どれにするか」へ変えられるためです。
ブロンズ:年間10万円前後(入口プラン)
- ホームページへのロゴ掲載
- 会場バナー掲出
- SNSでの協賛企業紹介投稿(年2回)
目的は収益ではなく、関係の入口をつくること。翌年以降のアップセルを前提に設計します。
シルバー:年間30〜50万円(主力プラン)
- ブロンズの内容すべて
- ユニフォーム背面・パンツへのロゴ掲出
- 試合ごとの場内アナウンス
- SNSでの露出レポート(四半期ごと)
最も選んでほしいプランです。ここに価値を集中させます。
ゴールド:年間100万円〜(体験を含むプラン)
- シルバーの内容すべて
- ユニフォーム胸ロゴ(最も露出価値の高い枠)
- 冠試合の開催(「◯◯株式会社 presents ◯◯カップ」)
- 社員・家族向け観戦招待、選手による社内イベント
- 年間レポートの提出と、次年度に向けた改善提案
金額が上がるほど、掲出面積ではなく「体験」を増やすのが設計の原則です。ロゴの大きさだけで100万円の説明はできません。
価格設計でやってはいけない3つのこと
1. 交渉で安易に値引きする
一度下げた金額は翌年も基準になります。値引きではなく、メニューを一段下げる形で調整してください。
2. 企業ごとに違う金額を提示する
地域の企業同士はつながっています。金額が違うことが知れると、信頼を一度で失います。
3. 「支援してください」と言ってしまう
価格の話をする前に、協賛が投資であることを共有できていなければ、いくらであっても高く見えます。
自チームの価格が適正か、一度診断してみませんか
日本アイケンの「スポーツハブ」では、クラブの露出データをもとに協賛メニューの価格設計から見直します。同じ活動内容でも、価値の伝え方と価格の刻み方を変えるだけで、協賛収入が大きく変わることは少なくありません。
まずは30分の無料相談から。現在の協賛メニュー表を拝見して、改善点をお伝えします。
【執筆】株式会社日本アイケン スポーツハブ事業部