
契約を取ることより、続けてもらうことのほうが難しい
スポンサー営業の成果は、新規獲得社数で語られがちです。しかしクラブの財務を安定させるのは、翌年も続けてくれる企業の数です。
新規1社を獲得するのにかかる労力を10とすると、既存1社に継続いただく労力は2〜3です。それにもかかわらず、多くのクラブが更新のための取り組みをしていません。
更新率を左右する最大の要素は、年間レポートです。この記事では、実際に更新率を押し上げたレポートの作り方を、そのまま真似できる形で解説します。
なぜレポートが更新率を決めるのか
協賛を決めた企業の担当者は、社内に対して「この支出には意味があった」と説明する責任を負っています。
年度末、予算を見直す会議で「この協賛、効果あるの?」と聞かれたとき、担当者の手元に資料がなければ、その協賛は削られます。担当者があなたのクラブを嫌いになったわけではありません。守るための材料がなかっただけです。
レポートとは、担当者が社内であなたのクラブを守るための武器です。
年間レポートに入れるべき6つの項目
1. 実施実績のサマリー(1ページ目)
最初のページは、数字だけで完結させます。
- 年間試合数:◯試合(うちホーム◯試合)
- 延べ来場者数:◯名
- SNS投稿での掲出回数:◯回
- 年間総インプレッション:◯万
このページだけを稟議書に貼れる形にしておくのが理想です。
2. 露出データの詳細
- SNS:投稿数、リーチ、インプレッション、エンゲージメント率(月別推移)
- 会場:試合ごとの来場者数
- 配信:視聴回数、平均視聴時間
- メディア:掲載された媒体名と日付の一覧
数字は月別の推移で見せてください。単年の合計より、伸びていることが伝わるほうが効果的です。
3. 掲出の実施証跡(写真)
意外にも、これが最も喜ばれます。
- ユニフォームにロゴが入った試合写真
- 会場バナーが写り込んだ観客席の写真
- 配信画面のキャプチャ
- 選手が企業を訪問したときの写真
企業はこれを社内報や採用サイトに使います。使いやすい解像度で、まとめて提供してください。
4. 実施した施策の振り返り
スポンサーデー、社員招待、選手の企業訪問など、実施した企画の内容と結果を記載します。参加人数、当日の様子、参加者の声を添えます。
5. 認知度調査の結果(できれば)
来場者アンケートで「この企業を知っていますか」を聞くだけで、強力なデータになります。「昨年32% → 今年51%」という数字が出せれば、それだけで更新の議論は終わります。アンケートは、紙1枚とQRコードで実施できます。
6. 次年度に向けた提案
レポートの最後は、報告ではなく提案で締めます。
- 今年うまくいかなかった点と、その改善案
- 来年度に追加できる施策の提案
- プランのアップグレード提案(根拠となる数字とセットで)
更新の話は、契約満了の直前ではなく、レポートの中で始めます。
レポート運用の実務ポイント
ポイント1:年1回ではなく、四半期ごとに出す
年1回だと、企業側は1年間「何も届かない」状態で過ごします。A4で1〜2枚の簡易版を四半期ごとに送るだけで、関係の温度がまったく変わります。
ポイント2:凝らない。約束した日に届けることが最優先
デザインに時間をかけて遅れるより、簡素でも期日通りに届くほうが信頼されます。
ポイント3:データは日々ためる
年度末にまとめて集計しようとすると、必ず破綻します。試合ごとの来場者数とSNSの数字は、その日のうちにスプレッドシートに1行入れるだけで十分です。
ポイント4:手渡しできる機会をつくる
メール添付で送るより、訪問して手渡ししながら説明するほうが、更新率は明確に上がります。
レポート作成も、代行できます
「重要なのはわかるが、そこまで手が回らない」——これが多くのクラブの本音だと思います。
日本アイケンの「スポーツハブ」では、契約獲得後のフォローアップまでを一貫して担当します。月次・四半期レポートの作成と提出代行、SNS・メディア露出データの定期集計、スポンサー企業とのコミュニケーション窓口、次年度契約に向けた改善提案まで。
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【執筆】株式会社日本アイケン スポーツハブ事業部