2026.10.09 コラム

個人スポンサーの相場はいくら?アスリート個人が協賛を集める方法と金額の決め方

大勢の観客の前で、片手で逆立ちしながらボールを操るSITZ

「個人でスポンサーを集めたいけれど、いくらでお願いすればいいのか分からない」

チームではなく、アスリート個人として活動している方から、よくいただく相談です。個人競技の選手、パフォーマー、プロを目指す学生。立場はさまざまですが、悩みは共通しています。

この記事では、スポンサー営業を代行してきた立場から、個人スポンサーの金額の目安と、個人だからこそ渡せる価値、そして最初の1社の見つけ方を整理します。


個人スポンサーの相場:年間で数万円〜数十万円が出発点

アマチュアからセミプロの個人アスリートの場合、1社あたりの年間協賛額は数万円〜数十万円がひとつの目安です。月額にすると数千円〜数万円。チームへの協賛と比べると小さく見えますが、個人の場合はここから始まるのが普通です。

ただし、これは「定価」ではありません。同じ競技レベルでも、発信力や活動の見せ方によって10倍以上の差がつきます。全国区の知名度がある選手や、SNSで大きな発信力を持つ選手では、年間数百万円以上の契約も成立します。

チームを含めた全体の相場は「協賛金の相場はいくら?スポーツチームのスポンサー金額の決め方」で解説しています。

個人スポンサーは「お金」だけではない

個人への支援は、現金以外の形を取ることが多くあります。

  • 資金の支援:遠征費、大会の参加費、活動費
  • 物品の支援:ウェア、シューズ、用具、サプリメント、食事
  • 環境の支援:練習場所、トレーニング施設、治療やケア
  • 雇用による支援:競技と両立できる働き方での採用

最初の1社は、物品や環境の支援から始まることが少なくありません。現金を出す決裁は取れなくても、自社の商品や施設なら出せる。中小企業ではよくあることです。


金額を決めるのは「競技成績」ではなく「渡せる価値」

個人スポンサーで最も多い誤解は、「成績が上がればスポンサーがつく」という考え方です。成績は大切ですが、企業が見ているのは別のところです。

企業は協賛金を、広告宣伝費や販売促進費、採用の費用として支出します。つまり支払った金額に対して何が返ってくるかを見ています。個人アスリートが渡せるものは、たとえば次のようなものです。

  • 発信:SNSでの紹介、商品を使っている様子の投稿
  • 露出:ウェアや用具へのロゴ、大会・メディア出演時の掲出
  • 出演:企業のイベント、店舗、社内行事への出演
  • 素材:企業が広告や採用サイトで使える写真・映像
  • 講演・体験会:社員や顧客、地域の子どもたちに向けた場

チームと違い、個人は意思決定が速く、企業の要望に合わせて動きやすいのが強みです。「この日に店舗へ来てほしい」「この商品と一緒に撮影したい」といった相談に、すぐ応えられます。

当社の所属アスリートであるフリースタイルフットボーラーのSITZは、パフォーマンスに加えて撮影・編集・SNSでの発信までを自分で行います。出演して終わりではなく、企業が後から使える素材まで残せる。これも個人が渡せる価値のひとつです。


自分の金額を出す3ステップ

ステップ1:渡せるものを書き出す

SNSの投稿回数、ロゴを出せる場所、出演できる日数、提供できる写真や映像の本数。大小問わず、すべて書き出します。

ステップ2:数字を添える

フォロワー数だけでなく、投稿1本あたりの表示回数、フォロワーの年齢層や地域、年間の大会出場数や来場者数。企業の担当者が社内で説明できる数字を用意します。

ステップ3:小さく始められるプランを用意する

最初から年間数十万円の提案をすると、判断は「やるか、やらないか」の二択になります。月額数千円〜1万円程度の入口のプランと、その上のプランを並べておくと、「どれにするか」の相談に変わります。

プランの組み方は「スポンサーメニューの料金表の作り方」も参考になります。


最初の1社はどこで見つけるか

個人スポンサーの最初の1社は、ほとんどの場合、すでに接点のある相手から生まれます。

  • 地元の企業、通っている店、お世話になっている治療院やジム
  • 家族・友人・OBOGの勤務先や取引先
  • 使っている用具やウェアのメーカー、販売店
  • 出身校や出身地に縁のある企業

面識のない企業に一斉にメールを送っても、返事はほとんど来ません。まず身近な1社と小さな契約を結び、実績と写真を残す。その実績を持って、次の企業へ向かう。この順番が現実的です。

企業に持っていく資料の作り方は「スポンサー提案書の書き方」で解説しています。


個人だからこそ気をつけたいこと

約束は書面に残す

個人同士の信頼で始まる協賛ほど、口約束になりがちです。金額、期間、こちらが行うこと(投稿の回数、ロゴの位置、出演の回数)、写真や映像を使える範囲。この4点は、簡単なものでよいので書面にしておきます。

税金の扱いを確認する

個人が受け取った協賛金は、収入として申告が必要になる場合があります。扱いは活動の形や金額によって変わるため、税務署や税理士に確認してください。

所属先の規定を確認する

学生や、競技団体・チームに所属している選手は、個人でのスポンサー契約に制限がある場合があります。学校、連盟、所属チームの規定を先に確認しておくと、あとで困りません。

報告を欠かさない

大会の結果、投稿の反応、活動の様子。月に一度でも報告が届くと、企業の担当者は社内で説明しやすくなります。翌年も続けてもらえるかどうかは、ここで決まります。


一人で抱えないという選択肢

個人アスリートにとって、営業・契約・請求といった作業は、競技の時間を削る原因になります。こうした部分を外に任せるのが、マネジメント契約という方法です。

当社では、所属アスリートの出演依頼への対応、企業との連携の設計、契約や事務を引き受けています。